今も昔も変わらず言われ続けているのが人材不足です。

実際、優秀な人が来てくれない、そもそも応募もない、面接しても辞退されてしまう、入社してもすぐに辞めてしまう、こんなご相談はよく聞きます。

採用というのは、中小企業・小規模経営者にとっては悩みが尽きない問題です。

ということで、客観的な状況を知るために中小企業白書(2015年版)を調べてみました。

事業の維持・拡大を志向する企業の抱える経営課題

まずは、事業の維持・拡大を志向する企業の抱える経営課題の優先順位を示した図です。

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ポイントは、「事業の維持・拡大を志向する企業」の抱える経営課題ということであり、事業を維持するにしても、拡大するにしても、人材が不足しており、さらに人材育成も大きな課題であるということです。

人材の確保状況

人材に関する課題が大きい中で実際の確保状況を示した図がこちらです。

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ご想像どおりと思いますが、人材は確保できていない状況であり、さらに人材を確保できない理由として、そもそも人材の応募がないのが56.8%、応募はあるけど良い人材でないのが39.9%、つまり応募数も少ないし、応募が来たと思っても採用したくないような人材で合計すると96.7%!

衝撃の数字なので繰り返しておきますが、96.7%です!

応募が少ない、応募があったとしても不要な人材、それが96.7%!!!、これが平均的な中小企業・小規模事業場の実態です。

もしかしたら、あなたは「うちも同じ状況だ」、「やはり中小企業・小規模事業場はみんな苦労してるんだな」と思ったかもしれません。

人材が確保できている企業とできていない企業の特徴

ごめんなさい。。。残念ながら違います。。。

「人材を確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」に分けられているだけです。

つまり、あなたの会社が先程のデータと同じような状況であれば、それは単に「人材が確保できていない企業」のグループに入るというだけです。

では、「人材を確保できている企業」と「人材が確保できていない企業」の違いはどこにあるのでしょうか?

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この図は理解に工夫が必要ですが、要するに棒グラフが差分を表しているため、棒グラフの大きい順に違いがあるということです。

労働条件や賃金というのはよく言われているので納得しやすいかもしれませんが、最も大きな違いは、「人材獲得のためのノウハウ・手段」です。

私は顧客獲得と人材獲得の戦略はほぼ同じと考えていますが、まさにこの統計で、ノウハウ・手段をどうするかという点が大事であることが示されています。

ちなみに「仕事のやりがい」は、ほとんど差がありません。確保できている企業も、確保できていない企業も、どちらも一生懸命、仕事のやりがいをアピールしているということですが、差は出てこないということです。

まとめ

右に倣えで商売をすれば、あなたの会社はお客様にとって他と同じのただの企業です。価格を見て買うかもしれないし買わないかもしれません。

右に倣えで人材募集をすれば、あなたの会社は他と同じただの企業です。応募するかもしれないし、応募しないかもしれません。

ただ、確実に言えることは、この統計が示しているように、普通の中小企業・小規模企業であれば、優秀な人材は「絶対に」応募しないということです。

だから、どのように人材を獲得するか、戦略が大事ということです。

追伸:もう一つ大事なことがあります。それは、あなたの会社が欲しくてたまらないような人材はそもそもどこにいるのか、これを常に考えておく必要があるということです。例えが悪いですが、魚がいない釣り堀に行っても魚は釣れません。


 

安部敏志 人事コンサルタント 1977年生まれ
大学卒業後、国家公務員I種職員として、厚生労働省、外務省、環境省、在シンガポール日本国大使館(外交官)に通算13年間勤務し、長野労働局監督課長を最後に退職。
国家公務員退職後は、人事コンサルタントとして、人事労務管理に関する支援を実施。
中小・零細企業の経営者の皆様からは、まるで自社の人事責任者のように頼りになるとの言葉を頂いている。
公式サイトでは人事労務管理に関する役立ち情報を更新中:http://worklifefun.net


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女性が働き続けるということ。

女性の活用を目指した制度設計論議がかしましい昨今ですが、
女性が働き続けるために必要なのは、組織の制度ではないように思います。

そう考えるに至ったのは、一部上場企業で働く友人の話がきっかけでした。

彼女はわたしと同じ35歳。新卒で入社して14年目の正社員です。
20~30年後もまだ定年という概念があると仮定するなら、
定年まではまだあと25年。折り返し地点にも至っていない社歴です。

ところが、同期入社の女性正社員は、彼女を残してすでに全員退職してしまったそうなのです。

充実した福利厚生制度があるにもかかわらず。

これが、女性の勤労意欲が制度でつくれないことの第一の証拠です。

第二の証拠は、9月27日付東京新聞に載ったこのニュース。


働く価値観が多様化している

私が沖縄で働くようになって、もう10数年になります。
近年は「働く」ことに関する価値観が多様化していることになぁと、感じることが多くなりました。
特に私は、広告関連・WEB関連の業界で働いてきましたので
フリーランスの立場だったり
小さな事業体でもオンリーワンの仕事をされる方だったりと
仕事仲間として接する機会が多い環境でした。
そこで出会う人々は必ずしも
報酬や売上だけの物差しで仕事をしていませんでした。

  • 自分のライフワークを優先する人
  • 家族との時間を優先する人
  • 楽しいパートナーとしか仕事をしない人
  • 大きな夢を持って、コツコツと今を生きる人

多種多様な価値観で生きる彼らを
会社に属している私は、ある種、羨望のまなざしで見ていました。
ところが、近年、SNSの普及に伴い
そんな多様な価値観で働く人が
必ずしもフリーランスの方だけではなく、一般の人・・・
つまり会社員であったり、
手に職がない、いわゆる今まではフリーランスにはなりにくかった層の人にも
その「自由」にも似た働き方を求める動きがあることを感じたのです。
そこでこれまでのピラミッド型の組織体制ではなく、
アメーバ型に有機的に繋がっていく組織。
自立・自律した個人や小さなチームが、人間関係信頼関係をベースに繋がっていく組織。

そういう「場」が必要だという思いから、ファンシップという会社を立ち上げました。
ファン=楽しいの「fun」と、あなたのファンという意味の「fan」
シップ=パートナーシップなどの関係性を表す「ship」と、みんなで乗っていく船の「ship」意味が含まれています。

ものすごく極端に言えば
スタッフも外部パートナーも顧客もステークホルダーも、境目がない組織。
そういう組織の言いだしっぺたる存在になりたいと思っています。

その結果、

  • とても優秀なのに、子育て中で5時間だけしか働けない人
  • 未経験の業界だけど、試しに働いてみたい人
  • スキルはあるけど、人付き合いが苦手な人
  • スキマ時間を有効に使いたい人
  • 自分が動く間の店番だけしていて欲しい人
  • 5万円を5社か得るような働き方をしたい人

いろんな働き方を求める人と繋がっていけるのではないかと思っています。

・・・ちなみに僕はベンチャー企業の社長なのに子育ても楽しみたい!
という挑戦をしています。なかなか理想通りには行きませんが、ね(笑)


小宮仁至 ファンシップ(株)代表取締役  1979年生まれ 
26歳でフリーマガジン「be-o」の取締役営業部長に就任。
以来、広告代理店・WEB制作会社・コンサルタント会社で常に中小企業の営業管理職を歴任。
「沖縄にはすごい経営者はたくさんいるが、すごい管理職が少ない」という思いから、採用と育成で企業の利益に貢献したいと2015年にファンシップ(株)を設立。
2015.4に沖縄県内初のスマホ特化型の求人サイト「スマホWORK」をリリース。
働き手の所得向上と企業の人件費率削減をミッションに採用と育成の両輪で事業を展開中。

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